近江町市場すぐそばにある東出珈琲店。金沢の老舗珈琲店「チャペック」が鞍月に越した際に店の場所を引き継ぐ形で営業を開始。今年で12年目を迎え、今や金沢を代表する珈琲店へと遂げた風格すらあります。
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お店の雰囲気
店内に入ればその開店当時の昭和の趣をそのまま残したモダンな雰囲気とカウンターに並ぶ自家焙煎珈琲の種類の多さに目を奪われます。
この日はちょうど昼時で、皆昼食を食べている時間帯。たまたまでしたが一番お客さんが少ない時間帯に入ることができたようです。お店の照明やテーブル、椅子などはチャペック時代のものをそのまま使われています。
この店のマスターは東出陽一さん。カウンターに座ればマスターの丁寧に珈琲を淹れてくれる様が見れ、そのよどみの無い丁寧な手さばきには一珈琲好きとして学ぶべき点が多々あります。オーダーごとに豆を挽き、ペーパードリップで。
珈琲の淹れ方はチャフ(薄皮)を丁寧に取り除いたり、ペーパーフィルターを二重に重ねてみたり、はたまた微粉まで取り除いてみたりと珈琲好きの数だけその方法も千差万別。そんな珈琲談義をしながらも「美味しく淹れれればそれでいいんですよね」なんて談笑をし、しばし待つこと珈琲とこの店のもう一つの看板メニュー、プリンと共に珈琲が運ばれてきました。
珈琲とプリン
東出珈琲店と言えばSNS上ではこのプリンも必ずと言ってもいいほどセットで写っていることも多く、熱心なファンも多い一品。一口食べればその魅力がわかるのですが、私は今まで食べてきたどのプリンよりもよりオーソドックスなプリンらしく、固めプリンの完成形思っています(伝わるかな)
玉子と砂糖、牛乳、バニラビーンズと使っている原材料は他の店と変わらず。使っている原材料の良さ、絶妙な火の通し加減、ほろ苦なカラメルソースの焦がし具合…シンプルなように見えて、様々な要因がこのプリンを他店よりワンランク上の味に仕上げているのでしょう。
珈琲は多彩な種類で珈琲好きを必ず納得させます
深煎りから朝煎りまで、さまざまな産地の自家焙煎珈琲を楽しむことができます。私は朝煎りが好きなのでパナマ・ピーベリーを。パナマはここ数年最も評価の高い珈琲の産地の一つとなり、世界中から注目を集めるあの「ゲイシャ」もパナマ産。こういった産地にこだわった多種多様な珈琲を飲ませてくれるのがこの店の強みであり珈琲好きにはたまらないところです。
一枚めくればテイクアウト用に詳しい説明も書いてあるのでこちらを見るのが珈琲を注文するときは良いでしょう。好みのタイプなどマスターに伝え相談してみるのも良いかもしれません。
店のレトロ感と共にゆっくりした時間を味わって
先代のチャペック時代から通うお客さんも多く、喫煙可のところだけが惜しい部分ではありますが金沢を昭和、平成、そして令和と時代と共に歩んできたこの歴史ある建物と共に美味しい珈琲とプリンを目当てに訪れてみてはいかがでしょうか。