片町から外れスクランブル交差点から海側の方へ車を走らせる。元車の交差点そば、一本入ったところにある大衆割烹 魚園さんへ。聞けば70年近くも続いているのだそうで、今は県外の修業を務め終えた3代目が親父さん(2代目)や奥様と共に店を営む長い歴史を感じさせる店だ。
外観

改装してまだ真新しさを感じさせるが凛とした雰囲気を漂わせている。
お店の雰囲気

店に入り手前はカウンター席で奥には座敷が。カウンターには食指を誘うおばんざいたちが今か今かと客の注文を待つように並び、周りはわいわいとにぎやかに酒を酌み交わす客たちで賑わっている。席に座りメニューに目を通せばなんと多い日本酒の品揃えよ。そうか、ここは酒を旨く飲ませてくれる店なのかとすぐに理解、そうとなれば話は早いと早々に日本酒に切り替えることを画策。
メニュー




全国から選りすぐった日本酒の精鋭たち!これは注文せずにはいられない。



食事もどれもこれも気になるものばかりだ。
お料理
まずはビールで喉を湿らせす。ぐいっとビールを飲むとなんとも目を惹くお通しが運ばれてきた。

能登のもずく、しかも丁寧に穂紫蘇が彩られている。こういう、後の料理を期待させてくれる突き出しを出してくれる店では大概外したことがなく高まる期待感。
真子。―薄味ギリギリの味付けが実に印象が良かった。濃く煮付けて何を食べてるかわからないものよりこういうのを食べれたら有難い。職人の仕事の丁寧さが伝わる一品。

刺身。―脂の乗った鯖のしっとりとした食味がたまらん。鰤は寒ブリと呼ぶにはもう少しかもだけど今年は不良だからまぁ仕方ない。ばっちり鮮度は良く味は美味い。

おでん。―丁寧に取った出汁がよく染みてる。安心して食べられるがお腹にたまるので注意が必要。


テールシチュー。―そうそう、この店の顔と言えばまずこれか。初代が海軍の料理人として勤めてた時に会得したレシピらしくこれを食べなきゃこの店は始まらない。

鰆の唐揚げ(だったかな)―この肉肉しい食感よ!連れと1個ずつ食べたけど欲言ってもう2個ほど食べたかった。惜しむように骨の間の肉をこそぎ綺麗に食べきる。こりゃこの店で注文するならマストだな。

鰤へしこところ柿。―梅の花の最中に挟まれ可愛らしいフォルムだけど、ところがどっこいこれがどれだけでも酒を進ませてくれる。クリームチーズが鰤へしこところ柿の仲人役で両者を上手く繋ぎ合わせている。思わぬ伏兵の一品に唸る。

ビールを切り上げお待ちかねとばかりに日本酒飲み比べ(1000円)へ移行。お店のお姉さんはこちらの顔色を見ながら「じゃあこれにしますね~」なんて日本酒を都度変えてくれるもんだから余計テンションが上がる。なみなみとそそがれ表面張力一杯になった酒をこぼさぬようちびり。アテをつまんではまたちびり、ちびり。
こうして時間はどんどん過ぎていきいつの間にやらラストオーダー。2軒3軒行くつもりだったがここで骨を埋めてしまったのはまぁ仕方ない、こういうなかなか帰させてくれない店は最高だ。雰囲気、料理、酒、接客、テンポ、すべてが丁度良くそこにこの店の歴史の長さを考えるとなんだかすっと腑に落ちた気になる。ーそうか、皆こうして味を占めてはまたここに来るのだな。そんな風に思いながらまたいつかの再訪を誓いほろ酔いで店を後にする。今日も良い酒だったナァ。
店舗詳細
店名 | 魚園 |
住所 | 石川県金沢市中央通町9−17 |
電話番号 | 17時~22時30分 |
営業時間 | 076-221-5491 |
定休日 | 日曜日 |
駐車場 | 店前1台 |
予算 | 一人4000円ほど~ |
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